ricebirdgarden’s blog

娘との絵本をめぐる冒険&おうち英語

娘とたどっていく絵本の世界③NETFLIXからの絵本

現在4歳4か月の娘は絵本大好き。自分でもぐんぐん読み進めていく家族一の読書家になった。けれど、当初はほんとうに絵本に興味を示さなかった。

 

1歳児健診の際に町からプレゼントされた「いないいないばあ」に一瞬はまり、繰り返し読んでいたので絵本に興味が出てきたのかな?と思っていたもののそれ以降まったく進まず。図書館からせっせと借りてきた本を破かれ、始末書まで書いたほろ苦い思い出まである。

 

「まぁもういいか!本に興味がなくてもこの世にコンテンツは山ほどあるし。」と早々にあきらめてワンオペ育児の片手間にNETFLIXを導入することになった。これまでEテレのわんわんやユキちゃんにはほんとうにほんとうにお世話になり、「いないいないばあ」のライブDVDはほとんど持っているほどだったが、少しほかのも見せてみるかとNETFLIXを始めたのである。

 

サブスク型の映像コンテンツに手を出したのはこのときが私も初めてで(ちょうどNETFLIXがはやり始めたころだった気がする)、莫大なコンテンツ量にド肝を抜かした。

 

早速検索して、1歳を過ぎ、もうすぐ2歳になる娘でも楽しめそうなものはと探した。それで選んだのが「ノンタン」である。ノンタン様と呼ばせていただきたいくらい、その後娘はドはまり。娘は発語が早く、1歳過ぎたころからなんだかんだとしゃべっていた気がする。「ノンタン」といえるようになったのも早かった。

 

ノンタンは絵がわかりやすく、なんといっても語感がよい。韻を踏んでいるような文章が多く言葉を覚えだした子供が思わず繰り返したくなるような文章だったのだろう。それがアニメで動き、リズムよくキャラクターが話すため娘は夢中になった。映像クオリティは大人からみるとガサガサで色も地味なのだが、それも逆に良かったように思う。

 

2歳前には2語文になっていたような気がする。テレビを指さして「ノンタン みる」「ノンタン シュー(する)」といわれまくった。そんなある日、ふらりと家族で訪れたブックオフで見つけたのだ。「ノンタン」シリーズがほぼコンプリートされた超良品絵本が。しかも1冊100円とかだった気がする。

 

10冊ほどひとまとめにして購入。ダメもとで読んでみた。するとさらにノンタンブームが加速。寝る前にはノンタンの絵本10冊を抱え、「よんで」「ノンタンよんで」と笑顔で持ってくる。これまで1ページも聞いてられなかった娘が急に10冊抱えてよたよた歩いてくるのである。衝撃だった。

 

話は少しそれるが、このころ、昼寝のペースが変化してきているときで夜6時には寝かしつけをしなくてはならず、朝食・昼寝後、遊び、夕食を作り、食べさせ、風呂に入れ、寝かしつけを完了させるまで朝から晩まで完全にワンオペだった。

 

日中はノンタンしか流れないテレビを見て、運動のために外に連れ出し、夜は寝る前にノンタン10冊。今思えば苦行だった。わんわんやユキちゃんが恋しかった。人間の姿を見たかった。今思うと笑えるが。

 

「もう少し減らさない?」といってもダメ。とんでもない冊数をいきなり読むようになり喉はカラカラ、娘は寝ない・・・思い出しただけでも少し辛い日々だ。しかし、日ごろ不真面目で自分で良い親とは言えない育児ばかりしている私は「せめて持ってきた本はなるべく読んであげよう」となんとなく決意したのだ。持ってくる本はすべて読んだ。聞いていなくてキレた日もあるけど、それでも最後まで読んだ。

 

幼児の「繰り返し」習性は本当にすごいとしかいいようがない。確かにこの習性は語学を修得するのにぴったりだと今は思える。当時はマジでつらかった。暗い部屋で娘の寝息が聞こえてきても頭の中でノンタンの声と映像がぐるぐるしていた。ちなみに夏ならまだ外は明るかった。いったい今は何時だ?頭がガンガンした。

 

そしてそこから起き上がって、帰宅する夫に夕食を準備する。夫は育児にも積極的で日々力になってくれたものの、このころの寝かしつけの苦労は知らない。夫が家にいる時は大体私もいるからだ。あの姿は娘とノンタンしか知らない。

 

当然ノンタンは架空の人物だし、娘もやがて忘れてしまうだろう。今聞いても多分覚えていない。あの日々は私だけが知るどんな気持ちにカテゴライズしてしまっておけばいいかわからない思い出だ。ノンタンの能天気な顔を見るたびに思い出す。

 

かくして、娘の絵本の世界への扉を開いたのはまさかのNETFLIXだった。これまで赤ちゃんだった娘は絵本を見てもそのキャラクターが動き出していなかったのかもしれない。NETFLIXノンタンは絵本とほとんど同じ回もあり、動画を見てから絵本を見ることで「紙上のキャラクターが生き生きと動き出す」経験をしたのではないかと思う。

 

それで絵本を読む(聞く)「コツ」を会得したように見える。それからはノンタン以外の絵本もどんどん読むようになり、そして絵本を眺めているときの目はきらきらと楽しそうだ。